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学会で発表するということ

栄養学科教授 佐藤 伸 

 話は、ちょっとさかのぼるが、これまでの研究成果を今年9月に開かれる学術学会で発表することになり、先日、演題を申し込んだ。といっても、自分が発表するのでなく、私の研究室で卒業研究をしている学生たちが、発表するのである。学生の学会発表は、栄養学系の大学ではごく普通のことかもしれない。でも、私たちの栄養学科ではちょっと違う。私たちの栄養学科は今年で設立5年目。今年の3月に初めて卒業生を社会へ送り出した若い学科である。ゆえに、「卒業研究」については学生も、指導をする教員も、その歴史は短い。私たちの学科では、3年生の秋になると学生たちは、興味や関心のある研究テーマを選択し、各教員の研究室に所属して卒業研究を始めていく。そして、翌12月のクリスマスの前ごろに卒業研究発表会を行う。
 今回、私たちが学術学会で発表するのは、特に興味深い実験結果が得られたからである。演題名は、「胎生期低蛋白栄養に曝された仔ラットの成長後のAMPキナーゼ活性に及ぼすレスベラトロールの影響」と「ラット妊娠期のフルクトース過剰摂取が仔の血糖値及び血中脂質に及ぼす影響」である。いずれも、妊娠期や授乳期の栄養が胎児や出生児の発育・成長にどのような影響を及ぼすかを実験的に調べたものであり、高血圧、糖尿病や肥満などの生活習慣病の発症や予防を考える上で役立つ研究と考えている。
 私自身は、学生たちが学会発表を経験することはすばらしいことと思っている。日常とは異なり、会場でさまざまな専門家の意見を伺い、また教えを乞うことができれば、それだけでも得難い経験と達成感を覚えることだろう。それが、卒後の方向性にも、少なからず、影響を及ぼすのではないだろうか。私も大学院生のころ、指導教官から国際学術学会で発表する機会をいただいた。そのときの経験は、その後の海外留学や今日の職業選択にも影響を及ぼしている。
 さて、学生たちの学会発表には、一抹の不安(心配といってもよい)も残る。学生たちは研究を始めて日が浅い。発表慣れしていない。加えて、発表の日が迫るにしたがってドキドキ(緊張)するかもしれない。それを指導する教員(私のこと)は、育てた学生たちが初めて学会発表をするのを想像するだけでも、もっとドキドキするかもしれない。はじめての学芸会で親が子の出番を心配するように・・・。
 とはいえ、あまり心配してもしかたがないので、今秋、名古屋で開かれる学術学会にいってこよう(なんとかなるさ)。いざというときに力を発揮するのが、私たちの栄養学科の学生たちである(これは確かだと思う)。案ずるより産むが易し。発表が終われば、みんなで味噌カツやきしめんを食べに行こうと思う。
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