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大学の、その先には

栄養学科 岩井邦久(食品機能学)

 昨秋から栄養学科の卒業研究がスタートしました。一期生は最終コーナー入口にたどり着いたというところでしょう。順調にきていますが、気を揉むこともでてきました。
 その一つが、連日のように報道される就職活動です。全国的な就職状況の厳しさは、我が一期生にも降りかかっています。希望通りの内定を得て早く安心できることを念じてやみませんが、こればかりは相手が決めること。また、卒業までにいくつかの越えなければならないハードルがある中で、就活は「いつ終わる」という期限が定まっていません。
 ですから僕はこう言っています。「その時々で、きちんと優先順位をつけて取りかかること」「時間があるからといってだらだら過ごすのではなく、やれる時に進めておいた方が後で苦労はしない」。
 その一方で、こうも思います。「大学の先でもっと勉強や研究したいと思わないだろうか?」

 今、僕の研究室には学生の他に社会人の大学院生が3人います。そのうち2人は博士課程と修士課程の最終年で、ちょうど学位論文の仕上げと提出、さらには最終試験で最も忙しい時期の真最中です。昨年も博士が一人、一昨年には修士が一人、それぞれ巣立っていきましたから、この慌ただしさは何やら厳冬の風物詩ともなりつつあります。
 今は、社会人でも大学院に入ること自体は難しくなくなっていますが、職場と大学院ではやることが基本的に違いますから、その両立はかなり大変だと思います。時代は違いますが、自分自身、社会人で大学院に入るのは大変だと考え、やりたい研究をするなら今という気持ちで、就職よりも大学院を選んだ経験があります。また、世の中で自分のやりたい研究が仕事になるというのはあまりないことです。社会状況の変化に伴い、大学や大学院の役割も少しずつ変わっているのですが、純粋に「学ぶ」「研究する」ということは今も昔もそう変わらないはずです。
 そもそも、大学とは就職するためだけ、または資格を取るためだけにあるものではないはずです。この点は、大学に入る人、入ろうと思っている人、そして入った人、みんなに改めて考えて欲しいことです。また、義務教育ではありませんから、ここは色々なことを自らが学ぶ姿勢を持って挑む場です。そうすれば、道は拓けてくるはずです。
 従って、高校、大学とより高度な学問に接する機会を得て、「もっと学びたい」「もっと研究したい」という気持ちが沸き起こってもいいのではないか、何人かはそうなって欲しい、さらにはそういう気持ちや経験ができるように指導したい、というのが、仕上げの時期に管理栄養士の卵達を見て思う毎日です。
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