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災害食を考える

栄養学科 熊谷貴子

 3月11日に発生した東日本大震災により被災された皆さま、謹んでお見舞い申し上げます。余震が続き不安な日々ですが、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。栄養学科の教員には、阪神淡路大震災、新潟県中越沖地震で被災経験のある先生もおり、私自身も三陸はるか沖地震を経験しました。思い出すと、自宅には災害用の備蓄はなく、給水情報も知らずに家族全員が食事に大変困った記憶があります。
 現在、私は調理学実習を担当しており、毎年「災害食」を取り入れています。これは、管理栄養士として災害地での食事の支援や災害時の食事の対応で役割を果たせる技術の習得が目的です。昨年度の被災設定は、電気、ガス、水道が止まった状況の中、家庭にある食材と限られた水で食事を調理し、自宅で復旧や配給を待つというものでした。食材は、お米(無洗米)、小麦粉、乾物(高野豆腐、切干大根、干し椎茸、ひじき等)と調味料。道具は、カセットガスコンロ、焼き網、空き缶、炊飯用耐熱袋(市販品)、キッチンばさみ、缶きり、食品用ラップです。この食材と道具で、ご飯、汁物、チヂミ風お好み焼きを調理してもらいました。普段の実習のように正確な分量や時間を計る事はありません。全てこれまでの実習で修得した技術とセンスが頼りです。乾物ははさみで切り、貴重な水を無駄にしないために乾物の戻し汁も使用しました。また、料理の盛付には食器にラップをかけました。これは、洗い物を出さない工夫の他に、食器を洗うことが出来ない場合には食中毒予防にもなるためです。この実習で、1班4名が使用した水は調理と飲料水で約4リットル、道具の洗浄では10リットルにもなりました。学生からは、限られた熱源と食材で調理をする事の難しさ、水の大切さを実感したと感想がありました。
 今後も引き続き災害食の実習を通して、様々な災害を想定した食事計画と調理方法を学生とともに考え、地域に還元していきたいと思います。
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①空き缶による炊飯          ②耐熱袋による炊飯

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